メッキと塗装の技術情報Technical info

メッキと塗装のコストダウンのポイント1

最適な表面処理の設計

製品の設計図面には必ずサイズが0.1mmや0.01mm単位で記載されています。しかし表面処理の欄には「シルバーメッキ」や「ユニクロメッキ」「黒塗装」などとしか書かれていない事が往々にして存在します。

「シルバー」とは「銀」のことですが、「シルバーメッキ」と言う時は「銀白色のメッキ」をまとめてそう呼ぶ時があります。つまり「シルバーメッキ」とは「銀メッキ」はもちろん含まれますし、「ニッケルメッキ」、「クロムメッキ」、「パラジウムメッキ」、「白金メッキ」、「ロジウムメッキ」などなど、呼ぶ人によって様々な意味に使われます。

ユニクロとは亜鉛メッキのクロメート処理のことでユニクロというメッキはありません。

同じSECCの部品に黒い塗装をする場合、屋外に設置するボックスと室内に置く通信機器ボックスでは前処理方法、下塗り、塗装樹脂の種類、厚みなどすべてが違うことは容易にご想像できるでしょう。このような曖昧な記載では表面処理メーカーは何を何μ付ければよいのか、まったく分からず困ってしまいます。設計者の方々は機械系や電気系出身の方が多いので化学系のメッキや塗装のことまではどうしてもおろそかになってしまうようです。

しかし、そういう詳細な条件が分からない場合でも見積依頼が来れば表面処理メーカーとしては一応形だけでも見積書を提出しなければいけません。そういう場合は、保険を掛けて高めの単価を書いておくことが実際にあります。表面処理業者は孫受け、ひ孫受けなので設計者の方に直接質問や打ち合わせができることはほとんど無いためです。

それではその製品に最適な表面処理の仕様はどの様に決定すればいいのでしょうか?もちろん表面処理にお詳しい設計者の方はその種類や膜厚まで決めて図面に記載すればいいでしょう。

しかし表面処理にそれほどお詳しくない方は次のページのような事柄を処理メーカーに明示したり、一緒に打ち合わせをすることで目的にあった表面処理が適正な価格で加工できるために品質、価格の両方に競争力をもった「Made in Japanのものづくり」が可能になることでしょう。

表面処理にも「メッキ設計」や「塗装設計」があり、これらにお詳しくない方はその道の専門家に相談することでその製品に最適な表面処理を最適な費用で製造することができるようになります。見積もりを依頼するときには最低限必要な条件を明示することにより、最適な仕様、且つ適正価格でトラブルのないメッキや塗装の発注が可能になりますのでご参考になれば幸いです。


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