提案事例集Product Case
耐食性を考慮した塗装設計のポイント 塗装
Before
屋外に金属筐体・ボックスが設置される場合、その設置される環境下においては厳しい耐食仕様が求められます。しかし、ケースによっては金属筐体・ボックスの塗装仕様が通常の屋内設置とあまり変わらないケースや、設計段階で十分に耐食性が考慮されていないケースが存在します。特に塩害地域や腐食性ガスが発生する地域に設置する場合は注意が必要です。
After
<図面から抜粋>
材質:溶融亜鉛メッキ鋼板 〇〇:㈱〇〇を使用すること
塗装はカチオン電着塗装両面塗り後、表面を塗装
裏面の回りこみ可、塗装仕様は以下の通り
下塗り:カチオン電着塗装 上塗り:フッ素樹脂焼付塗装
メーカー:㈱〇〇 メーカー:㈱〇〇
塗料名:〇〇 型番:〇〇 塗料名:〇〇、グレー5 分艶消し
中塗り:アクリル焼付塗装 型番:〇〇
メーカー:㈱〇〇
塗料名:〇〇 型番:〇〇 合計膜厚60μ以上のこと
屋外に設置することが避けられず、さらに錆や腐食を絶対に発生させることができない場合には、耐食性に対し設計段階から最大限の注意をはらうことが必要です。具体的には、材質はSECC やSUS を使い、図面上の表面処理指示を、“下塗り: リン酸亜鉛処理後カチオン電着塗装10μ以上”、“中塗り:カラー〇〇色 吹付け塗装 焼付けアクリル樹脂塗装”、“上塗り:トップコートフッ素樹脂塗装、合計膜厚40μ以上” などとし、耐塩、耐食性に強い塗装設計を実施します。
製品の耐食性は、何年保障と確約することが難しい側面を持っています。その理由として、設置環境によって、大きく状況が変わる点、錆・腐食の原因となる気体の濃度推移、物理的干渉などが、時間ごとに変わることが往々にしてあるからです。設計者はその点を踏まえて、製品の性能とコストのバランスを考慮したうえで、塗装の設計をし、塗装仕様を決定することが望ましいです。