メッキと塗装の紹介シリーズ メッキ
1.チタンへのめっきのご紹介
チタンは非常に安定した金属であるため、めっきが難しい金属の一種です。
そして、そのめっき法はなんと教科書にも載っていないという『秘伝の方法』となります。
そんな特殊な金属へのメッキですが、近年受注が多いのが、水素発生装置や次亜塩素酸発生装置用の電極としてのチタンへのプラチナメッキです。
プラチナメッキは、薄いものだと0.5μからとなりますが、1μから5μの厚みで用途に応じて対応しています。
プラチナは貴金属ですので、オーバースペックになりすぎないように適正な厚みがお勧めです。
当社のプラチナメッキは、当然ながら眼鏡への装飾を前提にしていますので、一般的なチタンへの白金メッキとは違いきれいな光沢を保ったままの処理も可能です。
チタンの白金めっき電極はめっき業界では昔から貴金属めっきの電極などに使っていましたが、光沢のあるめっきをチタンに付けたのは恐らく日本の眼鏡業界が世界初ではないでしょうか?
しかも、眼鏡に使われるチタンは、ベータチタンや形状記憶合金(ニッケルチタン合金)などチタンの中でもさらに複雑な組成を持つチタンばかり、、、
そんな地場産業に鍛えられた当社のチタンへのメッキ技術は、試行錯誤の末、メッキの教科書にも載っていないチタンへのメッキを可能にしてきました。
2.ロウ付け用めっきのご紹介
チタンやステンレスにロウ付けをする際、めっきをすれば簡単にロウ付けができます。
これは、チタンに密着の良いニッケルメッキをすることで、表面だけをはんだ濡れ性の高い状態にすることができ、しかもそのめっき被膜の密着強度は、ロー付け時の密着強度よりも強固なためこのような使い方ができるのです。
ただし、同じチタンでも材質によって酸処理の種類や条件が違います。
その為材質を細かくお聞きすることがありますが、ご協力お願い致します。
(但し焼けの上は絶対だめです。時々、焼けているから酸洗いで取ってからめっきしてくれと言われますが、絶対にそれはだめです。
チタンは酸洗いと機械的研磨の2段構えで焼けを取らないとだめなんです。
きれいに研磨した製品でも焼けの付近の金めっきがはげた経験がありませんか?
なのにどうしてロウ付けメッキなら焼けたままでも付くと云うのでしょうか?)
3.洋白、ステンレスのめっき(チタンの上メッキ)
洋白や銅、銅合金、真鍮などは比較的にめっきしやすい金属です。
これに比べステンレス、ニッケル合金、ニッケルめっきの付いた再めっき品はめっきが付きにくく、ニッケルストライクという処理をしなければめっきは付きません。
チタンのニッケル下地処理後のめっきもこの工程になります。
弊社ではすべてめっきの付きにくいステンレスに合わせた工程を使います。
4.超弾性のめっき工程
超弾性は超弾性用の酸洗い、専用金めっきが必要になります。
これらはステンや洋白にはめっきが付きますがチタンには付きません。
チタンと超弾性を同時にめっきするには、専用のラインが必要になりますがそれだけの需要がないので弊社では今のところチタンと超弾性は別々にめっきしなければいけません。
5.アンティーク工程
アンティーク(古美仕上げ)とは 本来は銀や銅、真鍮製品が自然に腐食しそれを磨いてへこんだところは黒くでっぱった所はシルバーやブロンズ、ゴールドになってしまったものを言います。
でもそれでは3色しかできませんし、何万円もする眼鏡に銅メッキや真鍮メッキをしては価値が下がってしまいますし、耐食性も心配です。
それで、弊社ではステンレス、洋白の場合はニッケルメッキ+黒ニッケル(ガンメッキ)後、シャーリング(ヘアーライン)で黒ニッケルを部分的に削り取りゴールドやブロンズ色を眼鏡全体に塗装で付けてアンティーク調に見せています。
塗装で色を出すためレッドでもブルーでも微妙なゴールドの色違いでも自由に色だしができます。
6.単色塗装の工程
単色塗装と言っても材質、用途によって様々な工程がありますが、ここではめっき後の眼鏡の透明な塗装(カラーコート)の工程をご説明します。
実際に塗装している動画もご覧ください。