CASS試験が何時間OKなら実際に使って何年間腐食しないのですか?
耐食性試験は意図的に腐食を促進させ、短期間にそのメッキの評価をするために行います。
したがって、製品が実際に使われたときにどのくらいの期間錆びないとか腐食しないとかを保証するものではありません。
実際に使用するといっても、屋内と屋外、浜辺と山間部、暑い国と寒い国、また肌に触れる眼鏡やアクセサリーなどなら、使用する人の体質や汗、仕事の種類などにも左右されるでしょう。
そのような様々な違いで使用年数は大幅に変わります。よってそれらの違いをカバーする試験方法は非常に難しいのが現実です。
とは言っても、例えば眼鏡の金メッキなら経験的にCASS試験が24時間合格なら通常は問題ないだろうという予測は付きます。
どんな促進試験でも、実際に使用して何年間大丈夫だと言う保証はほとんど無いのが現状です。
あくまで経験的な目安でしかありません。
以下に「ニッケル-クロムメッキ系の使用環境とキャス時間」という表があったので転記します。
これはJIS H8617とJIS H0404をまとめたものです。
使用環境 | 使用環境条件 | 場所例 | キャス試験時間 |
---|---|---|---|
A | 耐食性の強い屋外環境 | 海浜、工業地域など | 24 |
B | 通常の屋外環境 | 田園、住宅地域など | 16 |
C | 湿気の多い室内環境 | 浴室、厨房など | 8 |
D | 通常の室内環境 | 住宅、事務所など | 4 |
最新めっきの基本と仕組み 土井正著