メッキとは?目的や特性をわかりやすく解説!
メッキとは?
「メッキ」という言葉を聞いたことはありますか?
言葉は知っていても、「メッキ」とは何かご存知ない方も多いと思います。
メッキとは、「物質の表面を金属の薄い被膜で覆うこと」です。
金属や樹脂などの素材の表面に用いられることが多く、実は私たちの生活の身近なものにもメッキの技術が用いられています。
では、何のためにメッキをするのでしょうか?
何か良いことがあるのでしょうか?
こちらでは、メッキをする目的についてご紹介していきます。
メッキの目的
メッキの目的は一つだけではありません。
技術の進化により、様々な目的に用いられています。
装飾性
メッキには物の外観を美しく見せる「装飾性」があります。
時計やアクセサリー、メダルなどは、見た目の美しいメッキをすることで消費者の購買意欲を向上させます。
また、プラスチックなどにメッキしたアクセサリーは、金属だけのものに比べ軽量のため、利用しやすくなるメリットがあります。
アクセサリーは、銅合金を用いて安価に製造しつつも本物の金やプラチナのメッキを用いることで、手ごろに本物の輝きを身にまとうことができます。
自動車のエンブレムは、ピカピカの見た目にすることで輝きが増します。
このように様々なものにメッキをすることで、安価なものをより輝かしく見せることができます。
メッキをすることで、美しさという付加価値を生み出すことが可能となります。この装飾性こそが、鯖江の眼鏡産業を支えてきたメッキ技術の真髄とも言えます。
防食性
メッキには金属の錆びを防止する「防食性」があります。
自動車部品や自転車部品に、このメッキが用いられます。
これらの多くは鉄でできておりますが、鉄は空気に触れると酸化し錆びやすい金属です。
鉄の鎖やボルトやネジ、古い自転車などは錆びるとザラザラになり茶色に変色します。
みなさんも一度はみたことがあるのではないでしょうか。
これらは鉄の表面が錆びることで、酸化しているために起こっている現象です。
鉄の表面に錆びにくい金属をメッキすることで酸化を防ぎ、錆びにくくすることができます。
錆の進行を抑えることで、金属の寿命を延ばすことができます。
機能性
メッキには、錆防止以外にも別の機能を付与する、「機能性」があります。
・電気を通す「電気的特性」
・表面を硬くする「硬化特性」
・熱を通しやすくしたり、通しにくくしたりする「熱特性」
・摩擦による消耗を抑える「摩耗性」
などがあります。
電気的特性
スマートフォンやタブレットなどの身近な情報端末に用いられています。機器内部で使われている電子機器の部品を固定し、つなぎ合わせることができます。
硬化特性
表面を硬くすることでキズの防止や打痕抑制の効果が得られます。
例えばアルミ素材にクロム素材のメッキを施すことで、軽量かつ硬度の高い製品を作り上げています。
熱特性
ステンレス製のフライパンや鍋などの熱を通しやすくすることに用いられています。
ステンレスは鉄や銅などに比べて熱を通しにくい素材なので、メッキ処理によって熱伝導効率の向上が図れます。
反対に、エンジンや高温の中で作業をする機械の部品には熱を通しにくくするメッキ処理をします。
摩耗性
歯車やねじなど、摩擦によって部品がすり減ることを防ぐことに用いられます。激しく部品が削り合うことを抑制し、消耗を抑えるためにメッキで強度を高めます。
まとめ
今回はメッキの目的についてご紹介しました。
物質の表面を金属の薄い被膜で覆うことで、身近なものから最先端のテクノロジーまで幅広く活用されていることがおわかりいただけたと思います。
今までよく知らなかった「メッキ」のことを、もっと身近に感じていただけたのではないでしょうか。
メッキの技術はアイディア次第でもっと広がっていく可能性のある技術です。