製品が汚れていますがめっき前に洗浄はしますか?
これはお客様から良く受ける質問ですが めっきや塗装する製品が汚れていては様々な不良原因になりますので 必ず洗浄しますからご安心下さい。
めっき不良の80%は前処理(洗浄、酸洗い)不良と言われています。汚れが残っているとしみ、ザラ、めっき液の汚染、密着不良など様々な不良の原因になります。
第一、汚れた製品をメッキ液中に入れたらメッキ液が壊れてしまいます。
しかし、洗浄は万能ではありませんので取れない汚れもあります。あくまで通常の金属加工工程で付く油、研磨剤などを想定した洗浄のみです。あきらかな錆は研磨しないと取れませんし、シリコン系の油は取れません。(絶対に使用しないでください)
以下は弊社の主な前処理工程です。3種類の洗浄液と超音波、電解脱脂で汚れを取り、酸洗いで金属のきれいな表面を出してからめっきします。
各工程の間には水洗が1~3回入ります。
○バフカス洗浄(超音波)50℃前後
バフ研磨の研磨剤を落とす。
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○アルカリ洗浄(超音波)50℃前後
アルカリ性薬剤と界面活性剤を添加した洗剤油、有機物汚れを乳化、分散して落とす。
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○アルカリ電解洗浄
直流陰極(陽極)電解する事により発生する水素(酸素)とアルカリ液による最終仕上げ洗浄
ここで汚れは完全に取れます。
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○酸電解(酸浸漬)常温~50℃前後
酸と電解で金属表面に付いている加工変質層、酸化皮膜を取りめっきの密着性を上げる。
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○ストライクメッキ(ニッケルストライク、金ストライクなど)常温~30℃前後
素材の種類により下地めっきとしてストライクメッキをする。
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各めっき工程へ